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取材こぼれ話〜経営者編
想いを共有できる熱さに活気づく 田中英一社長/ローランド(於:静岡県浜松市本社) |
若い社長です。53歳。そして、もう無茶苦茶、熱い方です。
ローランドへの取材は2004年から足掛け6年。2009年には中間管理職の方々を対象にインタビューを行い、新・社長にもお話を伺いました。
ローランドの取材をするとき、私は浜松駅前のオークラアクトを定宿にしています。時間外のルームサービスに対応してくださることと、部屋から見える夜景に癒されるからです。でも、癒されるといっても、ホテルでの生活と、人の話を聴き続けるという作業は、実は想像以上に重労働。好きでしていることなので、苦にはなりませんが、最終日あたりになると、疲労感が滲むこともあります…。
社長の取材は、最終日に割り当てられていました。スケジュールは、午前は社長、午後からは管理者2名というものです。そして、いよいよ管理者2名が終わり、お茶をいただきながら、私は安堵感に浸っていました。レコーダーを鞄に納めようとした瞬間、ドアを開けて社長が入ってこられました。
「お世話になりました」と私。すると「あっ、あのね、僕、まだ言い足りひんから、取材続けてもらえますか?」。…私は、しまいかけていたレコーダーを机の上に置き直しました。
管理者の方々が異口同音に「社長が熱くて。もうあんなに熱いと、こちらにも熱さがうつってきて、社長の想いを、なんとか形にしてあげようという気持ちになります」とおっしゃっていました。
それは午前の取材でも十分感じたことですが、引き続き行ったインタビューでは、その何倍も熱さを感じ、こちらの体温も上昇したような気がしました。うっすら感じていた頭痛も吹き飛んだ気分です。
アツいだけの人ってウザかったりしますよね。だけど社長のように巻き込まれてしまう人もいる。その違いはどこにあるのでしょう。
おそらく、その人の言動のなかに、自分の想いがどこか重なり合う。もしくはその人の想いに自分の想いを重ねてもいいと思える。そういう「想いを共有できる熱さ」が、人の心に働きかける、特別なパワーをもつような気がします。
社長のお話からは、会社や部下に対する溢れる想いが伝わりました。保身に回る「いっちょアガリ」の社長ではなく、こういうヤル気のある若い社長が増えていけば、日本企業も活気を取り戻していくのではないでしょうか。
帰りの新幹線では、いつになく達成感が強く、ビールのおいしかったこと。ビールメーカーの社長こそ、この熱さが求められるのかもしれません??
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