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取材こぼれ話〜経営者編
察した言葉に心が開く 壇克義社長/ローランド (於:静岡県浜松市本社) |
ローランドの壇克義社長に取材を申し込んだときのこと。本社は浜松駅からバスで1時間、奥浜名湖の近くにあります。しかもバスの本数は少なく。でも取材とはそういうもの。万難排して指定された日時に伺うのは当然のことです。ところが私が神戸から行くということを知り、社長はこうおっしゃいました。
「そんな遠方から、こんな辺ぴなところにお越しいただくのは申し訳ない。近日中に大阪に出張することが決まっているので、そのとき大阪支店に来てもらえれば、そこでお目にかかれる。そちらのほうが負担が少ないだろう」
その言葉を聞いて、何がなんでも浜松細江の本社まで行きたいと思いました。
マネージャークラスの方から、「部下が思うように動いてくれない」というお話を伺います。上司からは売り上げを、部下からは現場の問題を突き付けられ、ときに出方一つさえもわからなくなるときが、おありなのではないでしょうか?
そんなとき、ローランドの壇社長がおっしゃった言葉は参考になるかもしれません。それは、自分が言ってほしかった言葉を、部下に言うようにするということです。よく聞くのが、「僕は上司からそんなに優しい接し方をしてもらわなかった。だけど、なんとか切り抜けることができた。だから、部下にも、やれって感じかもしれないね」というものです。
男性同士であれば、そうなのかもしれません。だけど、思い出してください。あなたが部下だったときのことを。若かったあなたは、そのとき本当はどう言ってほしかったのでしょう。もう少し温かい言葉を、心の奥で期待していませんでしたか?
その言葉です。その言葉を部下に言ってみてください。部下の気持ちは少し変わるかもしれません。人の心は、ささやかなことで動いたり、強くなったりするものです。
そして何より、相手を気遣った言葉は、ひいては自分を癒す言葉でもあるような気がします。お疲れならなおのこと。自分にかけたい言葉を部下にかけてみてください。
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