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取材こぼれ話〜経営者編
手のぬくもりは心を癒す 山本徳次社長/たねやグループ(於:滋賀県近江八幡市本社) |
たねやの山本徳二社長は、次は何を打ってでようか、何をしようかと、ビジネスをすることが楽しくて楽しくてしかたがない、それがひしひし伝わってくるという方でした。その目は、ときにやんちゃ坊主のようにキラキラ光ります。
印象に残ったお話のひとつに、情操教育の大切さ、そのなかでも人の手を通して作られたものを食べることが、いかに心に働きかけるかというものがあります。たとえば、手で握るおにぎりが人を健やかにする力は計り知れないというお話。
それは90年代にブームを巻き起こした、龍村仁監督の「地球交響曲(ガイアシンフォニー)第2番」を思い出させました。
そのなかに登場した、佐藤初女さんの映像。自宅を開放して心を病んだ人々を受け入れた際、彼女の握ったおにぎりを食べながら、涙をこぼした数多くの人々。そのおいしさに、もう一度生きてみようと元気になって帰る。そんな内容と、社長のお話が重なりました。
今、デパ地下に行けば、目にも口にもおいしいお惣菜が並んでいます。私も仕事に疲れた日は、買って帰る一人です。
だけど、家庭で作られたお料理には決してかなわない。それはお料理に染み込む愛情の量だけでなく、体温がそのまま反映された作り方がされているという違いがあるからでしょう。そう考えると、母の果たす役割の大きさを痛感せずにはいられません。
今、女性のキャリア志向や、夫の減給に伴う時間労働、シングルマザーなど、女性が積極的に働く、あるいは働かざるを得ない状況が目の前に広がっています。でも、子どもを育んでいく〜手の温もりや、まなざしの優しさ、何かあれば絶対守るという強さ等を通して〜、それを犠牲にするような働き方は、好ましくないと私は考えています。だって、それは代替えが利かない、母にしかできない「ぬくもり」だからです。
そんな「手のぬくもり」。その想いが基本になって作られている「たねや」のお菓子は、阪神百貨店のデパ地下でも、雨の日であろうが雪が降ろうが、長蛇の列が出来ています。ぬくもりは伝わっているのでしょう。
取材後、「先生、ウチの商品食べてってください」と社長。美しいお庭を眺めながらいただく、クラブハリエのバームクーヘンとアールグレーは絶品。癒されました。
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