|
『ミッションマネジメントの理論と実践−経営理念の実現に向けて−』中央経済社
|
|
|
3.理念は浸透しづらい
データを見る限りでは、日本人は理念を重要ととらえています。しかし、浸透に関しては、この30年間もの間、はかばかしいとは言えない状態が続いています。なぜ理念は浸透しづらいのでしょうか。今まで指摘されてきた理由の一つに、「理念と現実の仕事との間にギャップや矛盾があるからではないか」というものがあります。
働いている方であれば、納得される方も多いのではないでしょうか。どんなに立派な文言が理念に並べられていたとしても、現実の仕事では「売り上げ○パーセントアップだ!」などと上司から言われ、気がつくと数字を追いかけることに腐心している自分がいる。理念なんて、どこかへすっ飛んでしまい、ドロドロした日常に追われていく。
あるいは、「顧客重視」が理念に謳われていても、日々の仕事はデスクワークばかりで顧客の顔が見えず、理念がピンとこないというようなケースです。こんな調子だとすれば、データのとおり理念は浸透しません。
でも、理念の浸透が進んでいる企業もたしかにあるのです。そのような企業には、どんな秘密が隠されているのでしょうか。
|
|