飛行機のなかでのこと。白人の50代の妙齢のご婦人が、乗り込んでくるやいなや、「黒人の隣なんて、まっぴらよ!」とキャビンアテンダントに訴えたとか。
相談を終えて席に戻ってきたアテンダント。妙齢のご婦人に語りかけます。
「ただ今、機長と相談してまいりました。あいにく本日、エコノミークラスは満席でございます。ただ、ファーストクラスに1席だけ、空きがございまして。本来このようなことは致しません。でも、長旅のなか、ご気分がずっとお悪いのは心苦しいことです。今回に限り、ファーストクラスにお通しします」
そして、黒人男性のほうを見て
「Sir、お荷物をおまとめください。ファーストクラスにご案内いたします」
そのやりとりを聞いていた周囲の乗客は、全員がスタンディング・オベーション。思いやりのある対応に、皆が拍手を送ったそうです。
このような「痛みがわかる」対応は、なかなかできるものではありません。
心を砕くべき相手は誰なのか、何を誰を守るべきなのか、それを間違わない優しさと強さを持ちあわせたいと、あらためて考えさせられます。
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