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ほろ酔いだっこ2003

 
 蝉を見て名残の夏に想いを馳せる

幼い頃から、蝉の鳴き声を聞いたり、死んでいる姿を見ると、もの悲しい気持ちになりました。

地中に7年も8年も幼虫のまま過ごし、やっと光あふれる外に出たら、それはほとんど死を意味している。わずか1週間の命を燃やし尽くして、まるで抜け殻のようになって死んでいく。

その気持ちはいかなるものなのか。切なすぎる生き物。

ヒグラシがカナカナカナと鳴くのは、カナシイからだ、そんなふうに思っていました。

だけど、私たちの人生も、もしかすると同じなのかもしれません。長い地球の歴史に比べれば、生きたとしても100年に満たない。

そのなかで私たちは、カナカナカナしいと思うときもあるけれど、ツクツクボーシとツイている自分を感じるときもある。

あっ、そうか、セミは一生懸命なんだって気づくんですね。

命の限りを生きるセミを見て、せっかく生まれたんだから、自分でなければできないことをしようって、そんなことを想いながら、残った夏を惜しむ私です。




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