tanakamasako
To top pageProfile研究業績研究内容講演ミッションマネジメントEssayお問合わせ
ほろ酔いだっこ2003

 
 自分を主体にすればいい

「放射能が降っています。静かな、静かな夜です」

衝撃を受ける詩ですが、先日、テレビで、この詩をツイッターに載せた詩人に焦点があたっていました。

彼は、詩で震災を記録していくと同時に、人々を勇気づけたいと考えています。なぜなら、今回の震災は、言葉をなくすような経験だったため、皆、心の中に言葉を閉じ込めてしまったからです。その言葉を掘り起こして、光にすることができないか。それが彼の願いです。

私も「言葉」に深い想い入れがあります。だから、とても共感しながら見ていました。

そのなかで、取材を受けた高校教諭が言われた言葉が、印象に残りました。その人はしばらくの間、地震と放射能で部屋を閉め切って、先の見えない日々を過ごしていたといいます。その彼に元気を与えたもの、それは生徒でした。

「僕は彼らを必要としているんです。彼らが僕を必要としているかどうかはわからないけれど」

「僕は彼らを必要としている」、これなんですね。

私たちは、心のどこかで「人から必要とされること」を美徳と考えるところがあります。でも、それは見方を変えれば、人の目を気にしていたり、心の奥底に「役に立たなければ意味がない」というような強迫観念が潜んでいるとも考えらえられます。

そうじゃなくて、自分が必要と感じるから、ただそれに向かって進んでいく、実はそれで十分なんじゃないでしょうか。

今年の夏は町全体が薄暗く、暑く、なんとなく晴れやかになれないところがありますね。だからこそ、自分を主体においた考え方、それがエネルギーを与えてくれるような気がします。




                                                   新・ほろ酔いだっこもくじに戻る


無断複写の禁止