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ほろ酔いだっこ2003

 
 顔を思い浮かべてする仕事

ヒット曲をカバーする、よくあることです。本家本元を抜いたと評される人もいますが、かなわないことが大半。聴き慣れたから?それもあるかもしれません。でも、かなわないんです。なぜって、作詞家、作曲家は、最初に歌った歌手を思い浮かべて曲を作ったからです。

神戸新聞に1年間、エッセイを連載していたときのこと。デスクの方から、文章を書く「いろは」から「応用」まで、いろいろなことをアドバイスいただきました。心に残ったことがいくつかありますが、その一つ。

それは「誰かの顔を思い浮かべて書いてほしい」というものです。氏は言いました。

文章がうまいかどうかは、基礎的な文章力があるかどうかではない。どんなに洗練された文章でも、途中で読むのを放棄されれば、その文章はうまいとはいえない。下手でもいい。最後まで一気に読ませてしまう、それがうまさだ。そんな文章を書くためには、誰かの顔を思い浮かべて書くこと。この人に読んでほしい、そう思って書けば、おのずと読ませる文章になる。

それから私は、顔を思い浮かべて書くようになりました。それは特定の人の場合もあれば、見知らぬ遠い偶像のような場合もある。いずれにせよ、何かが変わります。書くエネルギーというか。喜びが生まれるのかな?

ヒット曲もそうです。この人に歌ってもらいたい、その想いやプロセスは、取って変わられるものではありません。

どんなことも「誰かのために」。その想いが、その人でなければできない付加価値を生み出させ、高みに押し上げてくれるような気がします。

また、明日から始まりますね。誰かが喜んでくれる顔を思い浮かべて、1週間やっていきましょう。




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