あっ、何かが変わる。そう思うときってありますね。
タイミングは実に巧妙に働きかけてくれて、少しずつ、少しずつ、動いていくことがつかめる。その流れは、ジーと心を傾けていないとわからない遅さ、静かさ、慎重さ。
だけど、焦って、開きかけている花を摘み取ることがないように、脱ぎ捨てる瞬間を待ちながら、動きたい。
人は不思議。タイミングは不思議。関係は不思議。
すべては流動性。尽きせぬ会話も、あんなにキライだった事柄も、少しずつ、少しずつ、変わっていって、脱ぎ捨てるための道筋ができあがっていく。口惜しさや残念さ、切なさや憎らしさ、そんなものを残しながらも、振り向かなくてもいいように、時間は刻々過ぎていく。
「私の前に道はない。私の後ろに道はできる」
前を向こう。そうして、美しく脱皮ができるその日まで、誰のせいにすることも、自分を責めることもなく、道は必ずあると信じて、静かなサナギでいよう。
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