引っ越した近くに、友人夫婦が経営するバーがあって、最近、ときどき顔を出すようになりました。
ママと私が友人で、彼女がオーバードクターで非常勤講師をしているときに出会ったのが始まりまでした。
彼女は長い同棲生活を経て結婚後、学会や大学には何の未練もなかったようで、あっさりバーのママに。彼は一周り以上年上のバツイチですが、彼女のラテン系の性格には、ちょうどいいと思わせる、律儀で几帳面な人です。
同棲時代は、3人で一緒にプールに行ったり、二人暮しのところをお邪魔して泊めてもらったこともありました。
この前、お店が引けるまでいたときのこと。彼が「今日家に寄ってって。おいしいワンタンメンがあるし、作るから」「でも、もう、丑みつどきだし、また、今度」「まぁ、まぁ、そう言わずに」
彼女と先にタクシーで帰るときも「こんなに深夜だし、今日は遠慮しとくね」と言うと、「遠慮なんかしないでよー。ワンタンメン作るから」「うん、でも、もうおなかも一杯だし」などと言っているうちに、気がつくと彼女達のマンションへ。
そして、それから彼が帰ってくるまで、怒涛の如く彼への不満をひとしきり。なんだか、イヤ〜な予感が・・・。
そこへ彼のご帰還。「ワンタンメン作ってあげてへんの?」い、いや、もうワンタンメンなんて、そんな。
そして、彼女が作りに立った途端、彼は彼女の不満をひとしきり。そして「二人を知ってくれてる人って、そんなにいーひんし、それに誰にでも言えることと違うしね」
ワンタンメンを運んできた彼女は、すでにフクレ顔。そして、「そんなこと言うけどね!」と大反論。彼も負けじと大反論。ついに、彼。「もうこの際、どっちが正しいか決めてもらおう」
私はひたすら、うつむいてワンタンメンをズルズル。
「どう思うっ!!??」二人に詰問され、なんで私が審判にならなきゃなんないんだと、うつむくものの、すでにワンタンはたいらげてしまい、目は宙に・・・。
そのとき、テレビから「イラクの日本人3人が解放されたのをきっかけに・・・」。えっ?解放されたの?いいなァ。私も解放されたい。
そうして、う〜ん。。う〜ん。まぁ、〜に関しては彼女にすこーし落ち度があるかもね。などと、寝ぼけマナコで言ってるうちに、朝がしらじらと明けていったのでした。
夫婦になるってむずかしい。
だけど、二人で寄ってたかって、シングルの私をワンタン一杯で拉致するなんて、実はこれこそ、運命共同体の模範例?
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