キャリア論の授業のなかで、「作文を書いたら、誤字や脱字がないか見直しをしましょう、なんてよく言われるけれど、普通は気づきませんね」と言うと、学生は???だって、思い込んでいることって、どんなに見直したって間違いは発見できないでしょ。
以前、peace mindというサイトからメールが来たときのこと(今も健在です)。専門家が悩みに答えるというサイトで、人間関係や仕事など、悩んだらメールしてという趣旨です。そのサイトの専門家の1人になってもらえないかと打診があったのですが、なぜか!peace mindをpeach mindと読み間違えた私。
「桃の気持ち」・・・。不思議な名前だなぁ・・・。悩みに答えてもらったら、気持ちがパーァと晴れて、桃のように色づくってこと?それとも、桃太郎のように勇ましく悩みに立ち向かうってことなのかしら、などと思いつつ、少し笑いを隠しながら、担当の方とメールのやりとりをしました。もちろん、私の書くメールは、いつも「peach mindさんへ」で始まっています。3度目ぐらいでしょうか。「当社はpeach mindではなく、peace mindです」と書かれていて、ビックリ!ピースマインド?初めて聞く名前に、思わず最初に来たメールを見直すと。オォーーー。なんと、そこには、peace mindと書かれているではありませんか!
そりゃ、そうよね。「桃の気持ち」なんて、おかしいと思ったぁ。なら、気づけよ!って感じですが、まったく気づきませんでした。
また、こんなこともありました。「異口同音」って言葉を、「いぐちどうおん」と読むものと思い込んでいた私は、ある日の講演で、堂々と「いぐちどうおんに、皆さん、そうおっしゃいますが・・・」などと胸を張って話したのです。すると、講演後、質問が来ました。
「先生は、いくどうおんを、いぐちどうおんと、おっしゃいましたが、何か違う意味があるのですか」と。
ところが、私には何のことかサッパリわかりません。ニコニコと「なんでしょうか?」などと言って、もうどうしようもない状態に。途中で気づいたときは、本当に穴があったら入りたいとは、このことと思ったものです。
そんなことを思い出しながら、学生に「だってね」と、この話をしたら、学生はゲラゲラ。もぅー、先生ったらって。
私のような思い込みは、恥ずかしさ以外の何ものでもありませんが、思い込んだからこそ、物事が成就するってこともあるのです。
内定をもらう学生を見ていると、どこかに「熱い想い」があって、よくわからないけれどスキだから、してみたいからという勢いが、初めの一歩となって、就職戦線を乗り切っていくような印象を受けます。そういう意味では、思い込み大いにOK!夢の幕開けになるでしょう。
誤字脱字なんて、それに比べれば、さして問題にはならないはず。あなたの心に誤字脱字がないか、本当にしたいことは何なのか、自分は一体どんな人で、何が大切なのか、大真面目に、でも楽しんで考えてみてください。
だって、あなたは未来なのです。
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