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 言葉のチカラ

幻想を破らぬ美学

周伍がもっとも苦心を払ったのは、ほんの二言三言、言葉を交わしてその場を立ったのちも、香水の薫りのように、その女の雰囲気があとに漂う、そういう言い知れぬ雰囲気を朝子に賦与することだった。「喋りすぎてはいけないよ」といつも言い聞かせた。「ものごとを説明しようとかかってはいけない。過度の言葉ほど幻想をやぶるものはないんだから」

三島由紀夫(1978)『女神』新潮社


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