言葉のチカラ
身近な人のためにきれいでいよう
生涯の伴侶はこの人がいい、と選んで結婚した人だから、僕の給料を妻の美しさをキープするためにあれこれ使ってくれるのはちっとも構わない。でも、妻がきれいになるのは、外に出かけていくときだけ。
家の中ではすっぴんで、動きやすさだけが取り柄のような服を着て、髪の毛だってぼさぼさしている。ところが、自分以外の人と外で会うときには、時間をかけてメイクし、やたらとめかしこんで出て行って、どうやら相手には「きれいだ」なんて言われているようだ。しかし、帰ってくるころにはメイクは崩れ、口紅もとれ、服にもシワがよって、ちっともきれいじゃない。僕はいつも、妻の汚いところしか見ていない。(中略)
夫の前でもきれい。外でもきれい。その落差をつけないことは、相手への思いやりにもなります。「あなたのことが大切ですよ」という一種のサインです。
宝田恭子(2010)『宝田恭子の明日もきれい10年後もきれい』三笠書房
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