tanakamasako
To top pageProfile研究業績研究内容講演ミッションマネジメントEssayお問合わせ
見果てぬ夢と現実と

 
カラスが肩に止まっている! ユングフラウ/スイス

私は実は少し落ち着きがありません。すぐにワクワクするというか、すぐにうろたえるというか、すぐにお尻が浮いたような状態になるというか。

ふだんは割とおっとりしているのに、ことが起こると、とたんに落ち着きがなくなる傾向にあります。幼いころから「もっと落ち着いて物事を考えなさい」とよく言われました。大人になってもなおりません…。

ユングフラウヨッホに登頂したときも、そうでした…。アルプスをぬって走るユングフラウ鉄道に乗り、目指すは頂上。雪に覆われたそびえ立つ山々の壮大さを見ていると、息をのむ、胸のすくような想いがします。自然はすごいですね。

そうこうしているうちに、ユングフラウに到着。標高は3160メートル。これぐらい高いとさすがに酸素が薄く感じられます。ガイドブックにも、高山病にならないよう、ここではゆっくり動くように書かれていました。

でも、ヨーロッパで一番標高の高い駅だと思うと、私は興奮をして、気がつくとヨーロッパ最長の氷河を見ることができるスフィンクステラスに続く、氷の回廊を走ってしまいました。

で、頭痛がして、気分が悪くなってきました…。私って、いったい…。

残念なことに、その日の天候は悪く、展望台に上ったものの、濃霧に視界が遮られ、眺望を楽しむことはできませんでした。とりあえず写真だけ撮って、フラフラしながら下山。

帰国して、撮った写真ができあがってきました(デジカメのない時代です)。展望台で写した写真を見て、ビ〜ックリ!!カラスが肩に止まっています!!

撮った人も、撮られた私も、いくら濃霧といえ、どうして気づかなかったのでしょう。これが高山病の恐ろしさでしょうか!?それにしてもカラスはちゃんとカメラ目線です。手乗り文鳥ならぬ、肩乗りカラス。うぅっ…。この写真を見て、友人と1時間は笑いました。今でも見たら笑えます。

旅の楽しさは後からやってくるということがありますね。見たいものが見れなくても、思わぬハプニングに見舞われても、そこに足を運んだということ、一緒に見聞きした仲間がいるということ、それが一番大切なことなんだと、教えられる気がします。




                                                  見果てぬ夢と現実とINDEX に戻る


無断複写の禁止