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見果てぬ夢と現実と

 
遠回りには意味がある メイドストーン/イギリス

カンタベリーに行こうと快速急行に乗るはずが、表示を見間違えて飛び乗ったのは普通電車。しばらく経ってから気づいて、今日はもう目的地にはいけないと断念。途中下車したのが、ガイドブックにも乗っていないメイドストーンという街でした。

限られた時間を有効に使おうと計画を立ててたのに…はぁ。ため息をつきながら、駅前の公園のベンチに腰掛けました。

冬の日の暖かなウイークデイ。公園を訪れる人はあまりいず、鳥のさえずりが澄み渡った大気に心地よく響きます。伸びをすると、気持ちがいい。目の前には、リスやイタチも登場して、見ているだけで楽しい気分になりました。

予定には組み込まれていなかった、のどかな時間。不思議なものです。今ではイギリスと聞くと、ピカデリーサーカスやバッキンガム宮殿よりも、そこが一番、思い出される場所になりました。

私たちの人生も同じかもしれません。目標があると、ついつい急ぎ足で、到達することをゴールにしてしまいます。そして、思うようにいかないと、どうして?!と躍起になってしまうことも。

だけど、時間が経てば、その足踏みをした想い出が、何より懐かしく、自分を見つめ直す時間になったと感じるのかもしれません。普通では起こりえないことが起こってしまったり、何をしても裏目に出たり…。でも、それらは、たしかに意味があったんだと。

ままならない現状に出くわしたとき、私の心にはメイドストーンの街が広がります。あののどかで静かな風景が、カリカリせずに大らかにね、きっとうまくいくから、これでよかったと思えるからと、私を励ましてくれるのです。

自分の運命を信じて、心を開いていたい。Take it easy! 気楽にやっていきましょう。




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