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見果てぬ夢と現実と

 
摩天楼を眺めるホテルで今日だけはキャリアウーマン クアラ・ルンプール/マレーシア

旅行に行くとき、あそこに行ったら、ゼッタイあれを見よう、食べようと、期待していくものと、まったく期待していないものって、ありますよね。今回は、期待していなかったけれど、すごくよかったモノのお話しです。

クアラ・ルンプールといえば、89階建ての世界一高いビル、ペトロナス・ツインタワーが有名ですね。私もご多分に漏れず、その前で写真をとり、さらに、KLタワーに高速エレベーターで昇り、最上階のバーでお約束のようにスコッチを飲み、プリクラまで写して、とすっかりミーハー気分に浸っていました。

そのとき宿泊したホテルは、そんなにランクが高くなかったので、ホテルライフよりシティライフを充実させようと考えていたのです。

ところが、屋上にプールがあるというのを知り、なぜか妙にそそられました。で、コッソリ覗きにいくと、プールサイドからは、周囲ぐるりと摩天楼を眺めることができます!!

この風景にすっかりはまった私は、シティライフ・エンジョイを変更!水着に着替えて、早速プールに直行しました!

みんな同じことを考えているのか、誰もプールに来ません。お客は私たち2人と、おホモだち2人、その4人で貸しきり状態です。さらにおホモだちはイチャイチャと語り合っているので、プールで泳いでいるのは、私1人。なんて悠々自適なんでしょう。摩天楼を眺めながら、誰にも邪魔されず泳ぐって、ちょっとデキル、キャリアウーマンって気分になります。

……とはいえ、実は私は、「キャリアウーマン」という言葉が、キライです。「仕事しか興味がない」「かわいげがない」「したたかでツンとしている」という偏ったイメージがあるからかもしれません。でも、周囲の人を見ていても、内容の伴っていない人に限って、そのイメージに限りなく近い。スーツ、バシッと着て、物言いも、バリッ、ツンッ。

そういう女性を目の当たりにすると、何も肩肘張って気張ることもなければ、男性と対等であろうとする必要もないでしょって思う反面、そういう見せ方で、自分を支えてるんだなぁって。

理想をいえば、本質的なことはちゃんとしてて、雰囲気や中身は、柔らかくて、かわいい人。

そう。だから、、、もしキャリアウーマンに見えるとしたら、それはオンナの沽券にかかわる!そう思うぐらい、私のなかでは×なんです。

でもね、摩天楼に囲まれるなら、今回だけは別です。タイヘンな仕事のことは忘れて、スタイリッシュに泳いじゃおぅ。そして、のどが渇いたらビール飲んじゃおぅ。くぅぅ、デキルってイイ感じ。それは、リゾートをイメージして作られたプールでは味わえない、都会のオアシスのような楽しさがありました。

帰国後。

指導教授から、「紀要に論文を載せたほうがいいから、あとひと月しかないけど、がんばりなさい」とお達しが。ええっ!!

そこには、プールで味わったカッコいいキャリアウーマンの感覚とは、程遠い現実が待っていました。。。泣き泣き論文を書く私って、本当にカッコわる〜い。




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