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見果てぬ夢と現実と

 
メニューを添削、大きなお世話 ランカウイ島/マレーシア

学生が話す内容に対して、わざと批判的な言葉を返すことってあります。

たとえば「この前、飲み会で出会った人が、私のこと『ド・ストライク』って口説くんですよ。でも、そういうこと言うのって、いかにも女の子慣れしてる感じじゃないですか」と言ったとしますね。

私、内心では、こう思ってるんです。おもしろいこと言う男の子ね。いっぱい口説かれるのは、女の子の役割だもの。ふふふって、花のように笑っておけばいいのよ。

でも、学生には、こう返したりするんですね。
「『ド』って卑称でしょ。おんなじ口説くんなら、もっと気の利いた、キレイな言葉を遣ってねって言ってやりなさい」

こういうやりとりを日常的にしていると、思わぬときに思わぬことをしてしまうものです。

素朴な自然が多く残る島、ランカウイに行ったときのこと。外国人観光客に人気という多国籍料理のお店に行きました。メニューも各国のものが揃っていて豊富です。日本語のメニューを見るや、すっかり釘付けになってしまいました!

「テンプラ」が「ナンプラ」、、、「肉マン」が「肉アン」、、、「ハルマキ」が「ハラマキ」、、、内容が変わるのは、まだいいとしても、きわめつけは、「小エビの炒めもの」が「小ユビの炒めもの」、、、小指の炒め物?いや、いくらなんでも、カタギの私としては。。

ウケてウケて、オーダーするのを忘れるほど、メニューを見て笑ってしまいました。でも、一通り見終えると、あまりに間違いが多い。一緒に行った友人が言いました。「添削してあげよう!」彼女も大学教員だったので、そういう気分になったのでしょう。促されるままに、気がつくと二人してセッセと添削をしてしまいました。

店長は「助かったよ」と大変喜ばれ、お料理をサービスしていただきましたが、今になって思うに、大きなお世話もいいところだったなぁということ。

そこはリゾートなのです。笑って流す、それがリゾートのいいところでしょ。それを職業病丸出しのように添削して、学生の卒論を添削するのと訳が違うでしょうと。それに、もしかすると、笑いながら注文する楽しさを狙って、わざと間違えているってこともありえますよね。

「いかにも先生」という人、私キライなんです。仕事がその人の雰囲気や話し方、ときに行動のとり方にまで現れる。しかたがないといえば、しかたがないけれど、先生らしからぬ人でいることが美学と、常々思っているのに、もぅ、私ときたら。

二度とこんなことはしない!そうだ。学生との会話を変えてみよう!!そう心に誓いながらも、先日、学生とこんな会話を交わしてしまいました。

学生「先生って、いつ見ても若々しいですよね」
私「若々しいってことは、実年齢は若くないってことでしょ。もう少し違う形容詞を使ってね」

あぁ、ダメだ。なおらない…。




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