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見果てぬ夢と現実と

 
ケンカに見える中国人の会話 周荘/中国

900年以上の歴史を誇る江南水郷の名勝、周荘。ここは水路の前に家があり、家の後ろに水路があるというように、水路と道路が平行線状に密集した水の都です。明や清時代の建造物が多く残っていて、数百年も経つ橋が、水路には当時の姿のまま架かっています。

私は晴れ女で、どこに行っても晴れるという特技をもっていますが、今回はその特技が発揮できず、雨降りとなりました。でも、しとしと降る雨のなか、水路の都を回るのも悪くありません。なかなかしっとりしています。

と言いたいところですが、中国という国は、いつも活気的というのか、乱暴的というのか、うぅ〜ん、私にはそう映るのです。

たとえば、路地を入った、ブタ肉店でのこと。有名店らしく、お客は横広がりに、それでも一応並んで順番を待っているようです。そこに突然横入りした貧相な顔立ちのオジサン。すると、最前列に並んでいた、末広がりの茶色のズボンをはいているオバサンが、オジサンに罵声を浴びせています。「ちゃんと並びなさいよ」という感じで、オバサンは真っ赤な顔をして怒っています。そのうち、あっっ“、オバサンが、横入りオジサンを叩いているではありませんか!オジサンも顔が真っ赤になってきました!

何もブタ買うのにケンカしなくてもという感じですが、ずっと見ていると、中国語の発音がケンカ腰に聞こえるだけで、どうやらケンカでもなさそうです。知り合いだったんでしょうか?和解したんでしょうか?笑いあっています……。よくわかりません。

中国を旅していると、いつになくこんな感じで、誰かが怒声を上げているように聞こえるのは私だけでしょうか。

水路と白壁、そこに吊るされている赤いぼんぼりが印象的な、伝統文化息づく水郷の町。

だけど、私は周荘というと、赤いぼんぼりより、赤い顔をしてブタのもも肉を争うようにして買っていた2人の姿が一番に浮かんで、なんとなく笑ってしまうのです。




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