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見果てぬ夢と現実と

 
ディープさは生活の息遣い グアム/アメリカ

グアムといえば、リゾート、アクティビティ、免税店というイメージがありますね。私も初めて行ったときは、プールサイドでのんびりしたり、トロリーバスを乗り回して、ショッピングを楽しんだりしました。でも、2回目は、もっとディープなことをと思い、「チャモロ文化に触れる」旅を決行したのです!

まず到着したその日の夜は、チャモロビレッジのナイトマーケットへ。屋台で並んで買うのは、もちろんチャモロ料理。ライスの色が赤いんですよね。そのうえに、お料理にはココナッツや唐辛子がふんだんに使われていて、パワー炸裂って気分になります。

食べ終えたら、ライブ&ダンス会場に潜入!ローカルの年配の方々が、この日を待ちわびていたかのように、オシャレをして楽しげに踊っています。私も誘われるままに、見よう見まねのポリネシアダンスを、少しだけ楽しく踊りました。

朝は、これまたローカルが集うデデド・フリーマーケット(朝市)へ。どこからともなく人が湧いてきたように、マーケットは人でごった返しています。ぬかるみの多い土地に、ゴザを敷いて品物が並べられているんですが、見方によっては、戦後の物々交換のような感じで、なんだか不衛生です。

売られているものは、ローカルスナックを中心に、中にはどう考えても着たくない古着や、いつのもの?と言いたくなるような香水、なぜかニワトリや犬まで並んでいて、熱気があるのか暑いのか、はたまた臭いのか、ホントーにディープでフラフラしました。だけど、彼らにとってマーケットやライブは、大きな楽しみのようです。

島内をドライブして感じたことは、自然だけが広がる島だということ。自然が作り上げた山や、侵食されてできた岩。海水がせきとめられてできた天然のプールなど。そこに教会があったり、古い橋がかけられていたり、やしの葉が、たわわに揺れていたり。そういうゆっくりとした時間のなかに、人々の静かな営みが脈々と続いている。

そう思うと、ホテルが密集するタモンのあたりだけが、とってつけたような異空間だと気づきます。人工的な一角で遊ぶのは気楽で楽しいことではあるけれど、生活が垣間見える、息遣いの伝わる町を歩く、私が旅行で大切にしているのは、これなんだとあらためて思いました。

そして、僭越ながら、私が研究で大切にしていることも、現場に足を運び、働く人々の想いに触れていくことなんです。地図には載っていない街角で、優しい親子の姿を見た、あのときの嬉しい発見のように、文献では明らかにされていない職場の現実を、取材できればと思っています。




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