地下鉄御堂筋線の梅田駅で、2008年・2009年の2年間、夏になると大々的にPRしていた、ニューカレドニアのキャッチコピーは、見るたびになんとなく笑えるものでした。それは
「モトカレよりもニューカレ!」
というもの。文字の後ろには、広がる青い海の写真。なんだか気分がソソられます。
私はすでにニューカレドニアに行ったことがあります。治安もよく、元フランス領ということもあって、洗練された美しい島でした。でも、私の場合、なんといっても思い出されるのは、ニューカレならぬ、あのカレのこと……。
ニューカレドニアに行ったのは、博士後期過程2年目の夏。その当時、論文ゼッタイ3年で書くぞ、という「必死モード」に突入していたため、癒されたかったのです(必死なんて言葉、死語ですね。でも私は必死を超えて、必死のパッチでした。ますます死語……ごめんなさい)。大好きな海を何日か見て、ボンヤリできたら、またがんばれそう。そう思いニューカレドニアを選びました。ホテルでのんびりすることだけを楽しみに。
宿泊したホテルのラウンジでは、常時、ピアノ演奏が行われていました。プールサイドの日差しに疲れるとラウンジに行き、ビールを飲みながらボンヤリ。バックミュージックに流れるピアノは心地よさ満点です。はぁ〜癒されるぅ〜、来てよかったぁ〜。
すると、突然!ピアノ奏者がリクエストはないかと、私を指さして聞くではありませんか。周囲を見渡して、私はスタンダードナンバーの「サマータイム」をリクエストしました。演奏される切ないメロディは、バカンスならではの開放感をますます運んでくれます。
ところが、これが運のツキでした・・・。
ピアノを弾き終えた彼は私のところへやってきて「名前はなんていうの?」「どこの部屋に泊まってるの?」と聞いてきます。最初はご愛嬌でした・・・。
ところが!ランチをとっていると、バッタリ会って「Masako、写真をとってあげる。Masako、何、食べてるの?Masako、部屋はどこ?」
フロアを歩いていると、またしても会って「Masako、そのドレス、ステキだね。Masako、今から何するの?Masako、部屋はどこ?」
ラウンジに行くと、ピアノを弾いている彼は、私にウィンク。さらに「サマータイム」ばかり弾きまくる。
ゼ〜。。私は辟易として、ホテルにいるのがイヤになりました。
結局、ヌメアの街をウロウロ、ウロウロ。ホテルにいるのがイヤで、ホテルの周辺をウロウロ、ウロウロ。帰国する頃は、歩き疲れてグッタリ。リラックスとは程遠いバカンスとなりました。
ニューカレドニアといえば、私のなかでは、あのカレです。くぅーーー。次回こそは、私も行くぞ!ニューカレと!!
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